以前にも「チームビルディング」についてインタビューをさせていただいた菅谷宏一さん。菅谷さんは「チームビルディングジャパン」で働く傍ら、「すがや対話工房」として様々な企業や団体の「話し合いの場づくり」を応援されています。
吹奏楽部や吹奏楽団、または企業などでもミーティング・打ち合わせ・普段の会話など、様々な場面で「対話」が行われていますが、時には話し合いがうまく進まず、いつまでも結論が出なかったり、険悪なムードになってしまうこともあるかと思います。
そこで、そんな話し合いのプロ、菅谷さんに、部活や楽団でのミーティングを円滑に進めるためのお話をしていただく連載「菅谷宏一のミーティングデザイン講座」。
第1回となる今回はのタイトルは「そもそも何のために話し合うのか?」。今日から実践できるテクニックもありますのでぜひ自分の状況と照らし合わせながらお読み頂ければ幸いです。
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みなさま、こんにちは!
ミーティング&ワークショップデザイナーの菅谷です。
この連載では、楽団や部活の運営に欠かせない
話し合いをデザインしていくコツをお伝えしていきたいと思います。
さて、みなさんは話し合いをデザインしたことがありますか?
多分ないんじゃないかと思います。
デザインと言っても、絵を描くことではありません。
話し合いの効果をフルに発揮させるために工夫することを
「話し合いデザイン」と呼んでいます。
僕は仕事柄、いろんな会社さんの会議を見せてもらうことがあります。
いろんな地域の会合に参加させてもらうこともあります。
誰もが知っているような大企業さんの会議でも
60,70代の人生の先輩方の主宰される会合でも
正直なところ、ぜんぜんデザインされていません。
話し合いはどこでも、誰でもやることなのに
話し合いデザインについては、学校でも会社でも
習っていないようなのです。
これはとてもモッタイナイ!
ということで、話し合いデザインのコツを
ちょっとだけお伝えしちゃいます。
【話し合いデザインのコツその1】
目的をはっきりさせること
です。
ここでいう「目的」とは
「そもそも何のためにこの話し合いを行うのか?」
ということです。
会議やミーティングを拝見していて
目的のはっきりしていない話し合いがあまりにも多い。
「毎週やることになってるから」
「上司にやれと言われてるから」
これは話し合いという手段が目的になってしまっている例です。
ファシリテーションの普及・研究が進み
いくらでも話し合いの手法の知恵があります。
ところが、手法だけ学んでも
目的が定まっていなければ
逆効果になってしまうことさえあります。
【では、どうすればいいか?】
あなたが、顧問や幹部といった話し合いを主宰する立場なら
まず自分で話し合いの目的を問い直しましょう。
「この話し合いは、そもそも何のためにやるんだっけ?」
ポイントは、その一回の話し合いだけの目標でなく
話し合いを重ねた先に実現したいことに意識を向けることです。
たとえば、選曲会議であれば
「コンサートの曲目を決めること」ではなく
「お客様に喜んでもらうこと」のように、ちょっと先に意識を向けます。
あなたが、話し合いに参加する立場でも、できることがあります。
話し合いが迷宮入りしてきたタイミングで、こんな質問を投げかけてみましょう。
「そもそも私たちは何のためにこの話をしているんでしたっけ?」
「あのー、今日は何の話をする会でしたっけ?」
たとえば、選曲会議でマニアックなメンバーの話が語り出し
吹奏楽のマニア話で盛り上がることはありませんでしたか?
(僕の学生時代にはマニアックな友人がいました)
そんな時に、上のような問いでを投げかけることで
話し合いの目的に立ち返ることができます。
それでは、今日のところはこの辺で。
気になることや質問などあれば、気軽にご連絡ください!
みなさま素敵な話し合いを!
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いかがでしたでしょうか。
「すがや対話工房」のウェブサイトはこちらから。お問い合わせも出来ます。
http://sugaya-dialogue.ws
これまでのWind Band Pressでの菅谷さんの記事はこちらから読むことが出来ますので、合わせてどうぞ。
※この記事の著作権は菅谷宏一氏に帰属します。
【菅谷宏一 プロフィール】
すがや対話工房 代表・ミーティング&ワークショップデザイナー。
中央大学にて心理学、筑波大学大学院にて教育学を専攻し、対話やファシリテーション、ワークショップの哲学と技術に出会う。社会科教師として子供の教育・学習支援に5年間携わった後、複業スタイルで対話の場づくりを通して、持続可能な地域・組織づくりをサポート中。
(株)チームビルディングジャパンで組織づくりに、NPOまちなかコーディネーター・トリアウテで地域づくりに、コラーニングスペース “勉強カフェ” で大人の学びの場づくりに取り組んでいる。
(一財)生涯学習開発財団認定ワークショップデザイナー・マスタークラス。
(特非)日本ファシリテーション協会 東京支部 会員。
音楽分野では、8歳からリコーダー、10歳からチューバを始め、独奏・室内楽・吹奏楽・管弦楽などで活動。所属する大学・一般の吹奏楽団で吹奏楽コンクール全国大会に3回出場し、うち1回は金賞を受賞している。
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